今日の診療室から
「うちの娘、夜きちんと磨いて寝ているのかしら?」
これは中3女子Aちゃんのお母様からの質問です。
「仕事で疲れて私の方が娘より先に寝てしまいます。幼児期のように仕上げ磨きなどやらない年齢になって、本人任せなんですけど歯磨きしているか心配です」
本人に聞けばよいのにと思いますが笑、
本人は答えたけど母は信じていないのか、本人も正直に白状してないのか
まぁ、どっちもどっちです。
お母様としては、磨いてはいそうだけど果たしてどうなのかという心配かもしれません。
本人のお口の中を確認して、
「毎日確実じゃないけど、ほぼ磨いて寝てますよ」とお母様に伝えます。
それだけでは面白くないので、もう少し詳しく
「受験生だし、うたた寝した日はそのまま磨かず寝ちゃいます、それ以外の起きてる日は磨いて寝てますよ」
「そうじゃない?」
とAちゃんに確認すると
「うん、そう」
10代の子は親には反抗しますけど
まだまだ純粋ですから
7歳から通院してくれていることもあり、身近な大人の我々には正直に答えてくれます。
この子のケースとは別ですが
夜、うたた寝していても
ガバッとと起きて
眠くても親に言われなくても歯磨きしてから就寝する理想的な子もいます。
今日はたまたま別の中3女子 Bちゃんがきていましたが、その子はそうなのです。この子は1歳から来院しています。
AちゃんとBちゃんの夜磨く頻度の違いはほんのわずかですが、大人になってからは積み重ねられた差となり歯周病を引き起こす確率の違いとなります。
細かい部分ですが、私はこだわります。
なぜなら
必ず大人になる子供たちが
大人になったときに、困らないようにするのが小児歯科の役割だからです。
それでは、この二人の夜の歯磨きの差はどこで生まれるのでしょうか?
Bちゃんが1歳から通院してるから?
本人の性格?
それとも親の熱心さの差?
いえいえお二人共素直ですし、幼い時から通院され、親御さんも自ら通院され親子で予防には熱心です。
答えは親の仕上げ磨きの熱心さの差でした。
子供は親の真似をして育ちます。
Aちゃんの親御さんは、仕上げ磨きがある年齢でフェイドアウト。
Bちゃんの親子さんは、ある年齢まで仕上げ磨きを徹底した。
これが理由だと考えます。
徹底とは もれ がないこと、1日も欠かさなかったというところを子供は見ているのです。
仕上げ磨きに対する子供の本音は、本当はしたくない。だからフェイドアウトは歓迎、もうやらなくていいんだと伝わってしまいます。
親が一日も欠かさない場合は、もう参りましたとしぶしぶ受け入れる。そして子供は繰り返すうちにそれが習慣として身に付くのです。
通院する子供たちとよく話をするのでわかります。
小学校の間は仕上げ磨きを行いましょうと当院では伝えています。
子供へのまなざし2